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<title>Tropical Diary</title>
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<description>在タイ・ビデオジャーナリストＭＫの怠惰な日常。</description>
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<title>スパイシーたいらんど　2009年10月</title>
<description> 2009年10月「カメラ、カメラ、カメラ」　９月のことです。タイ・カンチャナブリ近くの小さな村で全景が見渡せる撮影ポイントを探しました。周囲に高いビルはなく給水塔か電波塔の上に昇るしか手立てはありません。どちらも管理人がおらず、別に悪いことをするわけでもないから良いか、とハシゴに手をかけようとするとタイのスタッフに大慌てで制止されました。　最近、この手の施設には監視カメラが備えてあって、後で身元を割り出
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<![CDATA[ <a href="http://blog-imgs-26.fc2.com/n/e/w/newsasia/clip_image002.jpg" target="_blank"><img src="http://blog-imgs-26.fc2.com/n/e/w/newsasia/clip_image002.jpg" alt="すぱいしーロゴ" border="0" width="180" height="28" /></a>2009年10月<br /><br />「カメラ、カメラ、カメラ」<br /><br />　９月のことです。タイ・カンチャナブリ近くの小さな村で全景が見渡せる撮影ポイントを探しました。周囲に高いビルはなく給水塔か電波塔の上に昇るしか手立てはありません。どちらも管理人がおらず、別に悪いことをするわけでもないから良いか、とハシゴに手をかけようとするとタイのスタッフに大慌てで制止されました。<br /><br />　最近、この手の施設には監視カメラが備えてあって、後で身元を割り出され不法侵入罪で逮捕されるとのことです。当たり前のことです。しかし、いままで何の躊躇いもなく給水塔やビルの屋上にあがって撮影をしてきたのも事実です。タイの管理社会化もここまできたかと残念な気がしました。<br /><br />　そういえばバンコクの信号機のほとんどに監視カメラがセットされています。交通渋滞監視、シートベルト着用義務違反検挙、防犯などに活用されています。最近、横断歩道以外での道路横断に罰則が適用されるようになりました。タバコの投げ捨ても罰金です。膨大な映像が蓄積されていますから、いちいち解析して犯人を割り出して罰金を徴収するようなことはまだ行われていません。しかし、大きな事件や事故では映像が解析されて問題解決に利用されています。<br /><br />　反タクシン派リーダーのソンティ氏暗殺未遂事件では、実行犯の車が割り出されました。劇画「男一匹がき大将」のようなタイの専門学校間の抗争では発砲事件まで起きて死亡者がでていますが、喧嘩に参加した学生たちの身元が確認されています。ＦＸ投資で生計を立ててタイで長期滞在をしていた棚橋さんが殺害された事件も、アパートやＡＴＭそして路上に設置された防犯カメラに残った映像が犯人特定に役立ちました。例を挙げればきりがありません。まさに「カメラは口ほどに物をいう」ありさまです。<br /><br />　気になるのは、そうした映像を誰が、どのように、誰に見せるかという基準がまったく曖昧なことです。コンビニ強盗であれ、デモ隊の動きであれ、万引きであれ、監視カメラに映った映像は、どういうふうに流出するのか即刻テレビで放送されます。日本のパチンコ店が開発した入場者を記憶して入出店情報や出玉を解析するソフト・ホルコンのように人物を特定・追跡するソフトも開発されています。そして、映像が無秩序に垂れ流されて誤解や冤罪が起きています。<br /><br />　シーコンスクエアというデパートで爆弾事件が起きたときには、爆発物が置かれる直前に映った人物が犯人とされましたが、隣人たちに騒がれた本人が警察に出頭して無罪の申し開きをしました。ちょっと間違えば松本サリン事件のようなことになっていました。<br /><br />　タイ警察はディスコへの未成年者立ち入りを監視するために、入口にカメラの設置や生体認証システムの導入を図っています。その情報が未成年者立ち入り抑止だけに活用されれば良いのですが、フライデー、フォーカスのように有名人の不倫スキャンダル暴露に使われる可能性は大です。鼻の下を伸ばして歓楽街を闊歩する日本のお父さんたちも、海外だからと油断していたら赤恥や青恥をかきます。個人情報保護法や肖像権など無いに等しいですから、知らないうちにＹＯＵ　ＴＵＢＥに痴態がアップされていたということが起こりえます。<br /><br />　テロ対策やＩＴ促進という名目で、日本を中心とした海外からの援助が流入したせいか、至る所に監視カメラが設置されました。また防犯カメラと監視モニターの価格がかなり安くなったので、うちのボロ・アパートだけでも２０台のカメラが作動しています。その上に動画撮影機能つきの携帯電話が普及しています。部屋を一歩出たら、行動はすべて記録されているというふうに考えておいたほうが良いでしょう。映像の使用のされ方によっては「恐怖政治」が具現化します。今年４月に首相官邸前を占拠したタクシン派反政府デモ隊は、参加者たちが後に検挙されないように周辺の監視カメラをことごとく壊しました。治安部隊が強制撤去に乗り出したときには、映像が治安当局に利用されて自分たちが不利になることを恐れて地元カメラを一切デモ拠点に入れないようにしました。<br /><br />　実はバンコクのＧＰＡ社内にも監視カメラがセットされています。室内に動くものがあるとセンサーが働いて自動で収録を開始します。以前、泥棒に入られたことがあり、防犯用に設置したとのことです。映像はネットでつながっていて東京でも確認できます。防犯用には違わないと思うのですが、もちろん社員の勤務評定に活用することもできます。そのうちに「こら～、大串！なに居眠りしているんだ～！たるんどるぞ！」とネット回線で東京から怒鳴り声が響くかもしれません。<br /><br />　撮影を生業にする私たちは、こうしたカメラの大氾濫をどのように捉えたらよいのか、とても悩むところです。<br /><br />（ＭＫ）<br /><br /># この原稿はバンコクに拠点を置く<a href="http://www.gpa.jp/bangkok/index.html" target="_blank" title="映像制作会社ＧＰＡ">映像制作会社ＧＰＡ</a>のニュースレター用に書いたものです。<br /> ]]>
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<dc:subject>タイ</dc:subject>
<dc:date>2009-10-19T22:46:20+09:00</dc:date>
<dc:creator>   ＭＫ</dc:creator>
<dc:publisher>FC2-BLOG</dc:publisher>
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<title>鴨ちゃんの風景　４</title>
<description> 鴨ちゃんのいた風景～アジア・パー〝外伝〟～その四～[前号までのあらすじ]「“鴨ちゃん”こと鴨志田穣は、東西冷戦が崩壊する転換期の1980代末から90年代にバンコクを拠点に活躍したジャーナリスト。漫画家・西原理恵子と結婚し、彼らの共著「アジア・パー伝」シリーズで一躍有名になった。だが肝臓癌を患い、42歳の若さで鬼籍に入る。鴨ちゃんはイラクで亡くなったジャーナリスト橋田信介らとチームを組んで戦場を駆け回った。そのラ
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<![CDATA[ 鴨ちゃんのいた風景<br /><br />～アジア・パー〝外伝〟～その四～<br /><br /><span style="color:#0033ff">[前号までのあらすじ]<br /><br />「“鴨ちゃん”こと鴨志田穣は、東西冷戦が崩壊する転換期の1980代末から90年代にバンコクを拠点に活躍したジャーナリスト。漫画家・西原理恵子と結婚し、彼らの共著「アジア・パー伝」シリーズで一躍有名になった。だが肝臓癌を患い、42歳の若さで鬼籍に入る。鴨ちゃんはイラクで亡くなったジャーナリスト橋田信介らとチームを組んで戦場を駆け回った。そのライバル・チームに属していた著者は、彼らと競い合うように現場にいた。タイ東北部イサーンの片田舎で唯一のコンビニを経営し「アジア・パー伝」を愛読する青年タマちゃんと著者は、ひょんなことから「鴨ちゃん追憶」の旅をすることになった。タマちゃんに触発されて、著者自身の中で風化しつつあった当事の思い出が蘇生し始める…」</span><br /><br />　九月、久しぶりにアンコール・ワット参道の石畳を歩いた。<br /><br />　今でこそ観光客で賑わう遺跡だが、九〇年代初頭には、国連統治下で武装解除を拒否したポト派と政府軍が周辺で攻防を繰り返し、遺跡は避難民で溢れていた。鴨志田穣との想い出がいっぱい詰まった所である。一緒に行こうと誘えば必ずついてくるだろうタマちゃんには内緒でやってきた。鴨ちゃんのことを語る度に、自分の浅はかさや掻き捨ててきた恥を曝け出しているような気がしてきたからだ。タマちゃんに話す前に、あの時代のことを自分の頭の中で整理したかった。<br /><br />　「鴨ちゃんはすごい奴だった。この地雷原や砲弾が飛び交う中で、怖がらずに駆け回っていた。」と美化して語れば、ファンであるタマちゃんは我が意を得たり、と満足するはずだ。しかし、いざ戦闘が始まれば、僕がそうであったように、鴨も金玉を縮み上がらせ、恐怖感を拭うために無闇矢鱈にカメラを振り回したはずだ。<br /><br />　「何だよ、この画は。揺れて見れたものじゃない。三半規管が変になって、船酔いしちゃうよ」と、遠くで銃声が聞こえ避難民で溢れる夜のアンコール・ワットを撮影した鴨の映像を酷評した。僕は、まだその域には達せないが、どんな状況でもカメラを担げば沈着冷静に具象化できるのがプロだと考えていた。<br /><br />　緊迫感のない現場でも、わざとカメラを揺らして緊張感を誇張する意図的なカメラワークもあるが、やはり現場を知る者の目は誤魔化せない。現役で活躍中なので名前は明かせないが、カンボジア政府軍兵士に金を払って迫撃砲を撃たせ、「戦闘が始まりました！」と実況リポートをした有名ジャーナリストもいた。<br /><br />　鴨も僕も、ニセモノではないホンモノを撮りたかった。だからこそ貴重な現場にいながら、きちんとした映像が撮れなかった鴨を「それでもプロかよ。」と貶した。それは自分自身への叱咤でもあったのだが、鴨にしてみれば「おっさん、また先輩面して、うざったいな」と思ったことだろう。<br />　<br />　かくして二人でアルコールの痛飲。現場の汗で二日酔いが覚め、喉の渇きに耐えられずまたアルコール。「戦争と平和」とか「映像論」とか考えるのも面倒くさくなるときは「アンコールでビールをアンコール」と愚にもつかないギャグで酒を飲んだ。酒の酔いが吹っ飛ぶ現場がなければ、とっくにアルコール中毒である。そうした繰り返しを遺跡の町シムリアプで続けた。<br /><br />　鴨ちゃんの風景を執拗に追い求めるタマちゃんが現れなかったら忘却していたはずの光景が次々と甦ってくる。<br /><br />　当時のバッタンバンで唯一のホテルに投宿したら、宿泊客は当方を含めて二組だけ。他の一組が、インドシナ紛争取材のツワモノ、橋田信介さんと馬渕直城さん。親ベトナム共産党と嫌ベトナム共産党のジャーナリストがどのような経緯で一緒に仕事をしているのかと詮索するよりも、明日のパイリン攻防戦取材で国道１０号線を行くことを慮って、早く就寝。バッタンバンには電気が通じずロウソクの光だけなのに、遅くまで話声が聞こえていた。翌朝、目が覚めて彼らに挨拶したら、夜通しで激論を続けていたようだ。「カンボジア人は民度が低い」という橋田さんの発言に納得のいかない馬渕さんが咬みついたという。それでも二人は、充血した目をこすりながら前線に出発して行った。<br /><br />　アンコール・ワットを眺める丘にある遺跡プノム・バケンの急な石段をえっちらおっちらカメラを担いで登る老カメラマンを追い越したら、後ろから「元気ですな」と声が飛んできた。振り返って見ると、あの石川文洋さんだった。<br /><br />　国連カンボジア統治機構ＵＮＴＡＣ明石康代表の会見で背後にまわってバッテリー・ライトを照らしながら撮影したとき、照かる頭を見て、失礼ながら思わずニタ～っと笑ってしまった。正面から撮影していたカメラマンが気づいて、笑いを必死でこらえていた。<br /><br />　自衛隊タケオ基地に一匹のサソリが出て、隊員たちは真っ青な顔で大騒ぎした。ガラス瓶に捕獲したサソリを隊長が僕たちカメラマンに見せて「私たちはこんなところに来ているのです」と真面目な顔で会見した。「キングコブラが十匹も出れば撤退ですか」と口に出しそうになったが止めた。<br /><br />　　　…　…　…<br /><br />　それぞれが自分の中でさえ風化していた一抹の他愛もない光景の断片である。久しぶりにアンコール・ワットの石畳を歩きながら気づいたのは、そうした断片を紡ぎ、時代全体を捉える作業を怠ってきたのではないかということである。<br /><br />　断片を語ることだけで喜んでくれるタマちゃんという奇特な青年が現れて、僕は有頂天になってしまった。実は「鴨志田穣って誰？」という人の方が多い。そういう人たちにも、時代が伝わる話をしなくてはならない。そのためには体験した断片を紡ぎ合わせて醸成してゆくことが必要だ。<br /><br />　タイ周辺を根城にして二十年の歳月が経つ。<br /><br />　振り返ってみれば、毎日がお祭りだった。民俗学には「ハレ」「ケ」「ケガレ」というふうに三つに生活習慣を分ける考え方がある。僕の場合は「ハレの場」＝「祭り」がずぅ～っと続いている。ハレの場は、ケやケガレが溜まったところで、その発散としての場である。ここらで立ち止まって、じっくり物事を考える時機がきているのかもしれない。<br /><br />　鴨ちゃんもハレの舞台を歩いた。体の具合が悪くなった晩年は、ハレとケガレのギャップに葛藤していたようだ。若い世代のタマちゃんは、脚色された我々の武勇伝にハレを見たがっている。<br /><br />　アンコールという偉大な遺跡のなかに包まれていると普段考えもしないことに心を奪われる。<br /><br />　さて、次にタマちゃんに出会ったときに、きちんと「鴨ちゃんのいた風景」そして「我々の時代」のことを伝えられるだろうか。<br /><br />　…次号に続く。<br /><br />（ＭＫ）<br /><br />＃この原稿はタイのフリー・ペーパー「ez-Golf」用に書いたものです。<br /><br /> ]]>
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<dc:subject>鴨志田穣</dc:subject>
<dc:date>2009-10-03T01:17:49+09:00</dc:date>
<dc:creator>   ＭＫ</dc:creator>
<dc:publisher>FC2-BLOG</dc:publisher>
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<title>鴨ちゃんの風景　３</title>
<description> 　鴨ちゃんがいた風景～アジア・パー〝外伝〟　その三～　「僕たちは、これぽっちの存在だってことがよく判ったよ。」　鴨ちゃんは、目の前で人差指と親指をほぼ引っ付く様にしてみせて、得意げに語った。アマゾンから帰ったばかりの鴨志田穣と飲んだときである。　「今更、何を言ってんだよ。井の中の蛙、大海を知らず。今まで何度も思い知らされてきたじゃないか。」と僕。　アマゾンには確かにわれわれの想像を上回る大自然がある
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<![CDATA[ 　鴨ちゃんがいた風景<br /><br />～アジア・パー〝外伝〟　その三～<br /><br />　「僕たちは、これぽっちの存在だってことがよく判ったよ。」<br /><br />　鴨ちゃんは、目の前で人差指と親指をほぼ引っ付く様にしてみせて、得意げに語った。アマゾンから帰ったばかりの鴨志田穣と飲んだときである。<br /><br />　「今更、何を言ってんだよ。井の中の蛙、大海を知らず。今まで何度も思い知らされてきたじゃないか。」と僕。<br /><br />　アマゾンには確かにわれわれの想像を上回る大自然があるだろうし、ウンウンと素直に頷いていればよいのだが、鴨の話にはついつい茶々を入れたくなる。何より、いままでの鴨の言葉や表現でないことが気になった。本当にアマゾンの大自然が彼を変えたのだろうか。<br /><br />　その後ですぐに気づいた。彼を変えたのはアマゾンではなく、一緒に旅した西原理恵子さんだった。<br /><br />　鴨ちゃんの風景を覗くことを至上の喜びにしているイサーンのコンビニ王・タマちゃんにとっても聞き逃せない話だろう。タイ女性との結婚によって、ひとまず人生の軌道を決めたタマちゃん。自分を変えたのはイサーンの大地なのか、妻や娘なのか、考えている。本当は両方なのだろうが、○×式の答えを僕から求められて悩んでいる。タマの頭がぐるぐる渦巻いている。イサーンか？妻か？それとも日本の両親か？○○××○○○×…？<br /><br />　先輩のカメラマンとかジャーナリストは、奥さんが看護士をしているとか学校の先生とか、その稼ぎで海外を飛び歩いて、ヒモのような生活を送っている人が多い。お金になるスクープは、そんなに転がっているわけではない。戦場は危険ではあるが、容易にスクープを拾える数少ない現場である。<br /><br />　「そんな有名な漫画家を妻にすることに決めて、相手も満更でないのなら、逆・玉の輿じゃない。」と僕。鴨もこれから、女房の稼ぎで心置きなく取材できる環境を得た。おめでとう！<br /><br />　「おっさん。僕はそんなに弱くない。サイバラから食べさせて貰うのではなく、僕がサイバラを食べさせるんだ。」と鴨。<br /><br />　ニコンＦ４とかライカなど、会うたびに新しいカメラをぶら下げている鴨。うらやましそうに、そのカメラを見る僕。<br /><br />　「これは僕が買ったカメラだからね。サイバラに買ってもらったんじゃないからね。」<br /><br />　僕が何も言っていないのに、鴨はムキになる。僕の「逆・玉の輿」発言が彼にトラウマを残したようだ。口は災いの元だ。<br /><br />　財産をカメラにつぎ込んだり、車につぎ込んだり、プラモにつぎ込んだり、酒に溺れたり、男は放蕩を繰り返す。女は、放蕩旦那に愛想をつかして、子育てに熱中する。そんな典型的な家庭を、鴨ちゃん、そして時代は下ってタマちゃんも築き始めた。<br /><br />　「鴨の追憶」に財産をつぎ込むタマちゃんの放蕩を、タイの奥さんはどう見ているのだろう。彼女は大河メコンの畔で生まれた。タイ国籍だが、タイ族ではなくて、プータイ族らしい。メコンのそばで唯一のコンビニを切り盛りしている。<br /><br />　タマちゃんという若い人生の変遷を知りたくなってきた。<br /><br />…次号に続く。<br />（ＭＫ）<br /><br />＃　この原稿は、タイのフリー・ペーパー「ＥＺ・ＧＯＬＦ」用に書いたものです。 ]]>
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<dc:subject>鴨志田穣</dc:subject>
<dc:date>2009-09-28T23:52:29+09:00</dc:date>
<dc:creator>   ＭＫ</dc:creator>
<dc:publisher>FC2-BLOG</dc:publisher>
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<title>鴨ちゃんの風景 2</title>
<description> 　鴨ちゃんがいた風景　～アジア・パー〝外伝〟　その二～　イサーンのコンビニ王・タマちゃんに乗せられて、ジャーナリスト鴨志田穣（鴨ちゃん）とかつてプレーしたゴルフ場にやってきた。　戦場や事件の現場には狂気が漂っている。取材する側も正気ではなく、漂う狂気に翻弄され、自分を見失うことが間々ある。真夜中に爆発があり咄嗟に部屋から廊下に出たら、オートロックがかかってしまった。爆発は夢の中で起きたこと。僕はパン
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<![CDATA[ 　鴨ちゃんがいた風景<br /><br />　～アジア・パー〝外伝〟　その二～<br /><br />　イサーンのコンビニ王・タマちゃんに乗せられて、ジャーナリスト鴨志田穣（鴨ちゃん）とかつてプレーしたゴルフ場にやってきた。<br /><br />　戦場や事件の現場には狂気が漂っている。取材する側も正気ではなく、漂う狂気に翻弄され、自分を見失うことが間々ある。真夜中に爆発があり咄嗟に部屋から廊下に出たら、オートロックがかかってしまった。爆発は夢の中で起きたこと。僕はパンツ一枚の情けない姿。仲間に冷笑されながら、ドアーを開けてもらったことがある。<br /><br />　そんな現場からバンコクに戻ってくると、溜まったストレスを発散すべく僕も鴨ちゃんもバカ飲みした。それは、深酔いから泥酔いとなり、後悔だけが残る後味の悪いものだった。そして、もうひとつの発散がゴルフだった。<br /><br />　「鴨ちゃんがゴルフをしていたとは意外ですね。」<br /><br />　タマちゃんは以前にも増して好奇の眼差しで、鴨ちゃんの残像を探ってくる。<br /><br />　「鴨はキャディバッグを担いでモーターサイに乗り、ゴルフ場に乗りつけたこともあったよ。紳士・淑女のスポーツというゴルフのイメージに無頓着な我々は、顰蹙の的だったのかもしれない。」<br /><br />　ただし、鴨ちゃんのゴルフの腕前はなかなかのものだった。ストレス発散を口実にスコアを度外視して力任せにクラブを振り回す僕に較べ、誰から教わったのか鴨ちゃんは基本に忠実なスイングをしてスコア・メーキングにも拘っていた。お茶代やビール代を賭けるときには、ショートとロング以外にプラス一打ずつのハンディをつけて、ちょうど良い勝負だった。僕はビール代をせしめるために姑息な手段をとったことがある。鴨のペースを乱すために、われわれの心の奥底にあるシコリを衝くのだ。<br /><br />　「いま、われわれがゴルフを楽しんでいる間にも、世界では何万という子どもたちが飢えているかもしれないね。」<br /><br />　「おっさん、また変なことを言う。現場を駆けて稼いだ金でゴルフを楽しむ。何が悪いんですか。僕たちが彼らすべてを救えるわけがない。そんなこと言いながら、ここにいるアンタは何なんですか。」とムキになる鴨。<br /><br />　「悪いと言ってるんじゃない。そういう現実があると嘆いているだけさ。」と僕。<br /><br />　これで鴨ちゃんのペースはズタズタに崩れる。なんと純な奴。なんと姑息な僕。僕は最低のパートナーだ。鴨ちゃんがアルコール依存症になったのが判る気がする。酒を飲んでも、ゴルフをやっても、マージャンをやっても、心のシコリが霧消しなかったのだろう。だから意識不明になるまで飲むことを繰り返す。<br /><br />　鴨ちゃんと同じようにうまいゴルフをする青年タマちゃん。彼にはどんなシコリがあるのだろう。アジア・パー伝を手垢で擦り切れるまで読み、鴨ちゃんの爪の垢でも糞でも何でも美味しいと言って食べそうな奴は、絶対に変だ。鴨ちゃんの話が聞けるからとプレー代まで面倒みてくれている。何でタマちゃんがこれほど鴨ちゃんに拘るのか知りたい。それはコンビニを経営しているイサーンの地に関係しているのかもしれない。いずれ問い質すときがくるだろう。<br /><br />　鴨ちゃん追憶のゴルフはガタガタだった。<br />　不景気で暇を持て余している旅行社のタイ人女性社長が一緒にラウンドしたのと、僕が二年半ぶりのプレーだったので、みんなレディース・ティーで廻った。それでも、ダブル・パー・プレーという惨憺たる有様だった。<br /><br />　前回のゴルフは２００６年の大晦日だった。ラウンドを終え、友人とビールを浴びるように飲んで、行く年の感慨に浸っていた。すると夕刻にバンコク数箇所で爆弾事件が発生した。現場を取材した後、伊勢丹前のカウントダウンも危ないかもしれないと待機したら、至近距離の電話ボックスに置かれた爆弾が爆発した。ゴルフで疲れた体に鞭打って、それから二晩も徹夜する羽目になってしまった。<br /><br />　鴨ちゃんとゴルフを楽しんだ時代から僕は進歩も成長もしていない。事件や事故に翻弄されっぱなしである。ストレス発散のゴルフは前よりも無茶振りが酷くなり、スコアは下がる一方である。したがって足が遠のいていた。<br /><br />　そして、心の奥にある得体の知れないシコリは残ったままである。<br /><br />　　　（ビデオジャーナリスト・ＭＫ）<br /><br />＃　この原稿は、タイのフリー・ペーパー「ＥＺ・ＧＯＬＦ」用に書いたものです。 ]]>
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<dc:subject>鴨志田穣</dc:subject>
<dc:date>2009-08-11T22:03:15+09:00</dc:date>
<dc:creator>   ＭＫ</dc:creator>
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<title>鴨ちゃんの風景</title>
<description> 　鴨ちゃんがいた風景～アジアパー〝外伝〟　その一～　青年タマちゃんとひょんなことで知り合った。タイ東北部（イサーン）の人口五百人の小さな村で唯一のコンビニをやっている。彼がやっているのはただ一軒だが、タイ全国にコンビニが浸透したことに自分が大きく寄与していると勘違いしている純朴な奴だ。　「イラクで亡くなった橋田信介さんを御存知？ということは漫画家・西原理恵子さんと結婚した鴨ちゃんともお知り合い？実は
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<![CDATA[ 　鴨ちゃんがいた風景<br /><br />～アジアパー〝外伝〟　その一～<br /><br />　青年タマちゃんとひょんなことで知り合った。タイ東北部（イサーン）の人口五百人の小さな村で唯一のコンビニをやっている。彼がやっているのはただ一軒だが、タイ全国にコンビニが浸透したことに自分が大きく寄与していると勘違いしている純朴な奴だ。<br /><br />　「イラクで亡くなった橋田信介さんを御存知？ということは漫画家・西原理恵子さんと結婚した鴨ちゃんともお知り合い？実は僕、鴨ちゃんの大ファン！」<br /><br />　ファン心理というのは滑稽なもので、在りし日の鴨ちゃんを追体験させて欲しいと熱い眼差しで僕を見つめる。鴨ちゃんと飲み歩き、ゴルフを楽しみ、取材現場で談笑し、ときに罵りあった記憶は、確かに僕の脳裏に強く残っている。<br /><br />　鴨ちゃんこと鴨志田穣カメラマン。<br />　西原さんとの共著「アジアパー伝」シリーズが本屋で平積みになるほど売れた。僕と空気と時間を共有していたバンコク時代からみると信じ難いほど有名になった。後のことは風の便りでしか知らない。著作ではアルコール依存症と葛藤していたらしい。そして２年前、腎臓癌で亡くなった。<br /><br />　本業をほったらかして連絡をしてくるタマちゃんと「鴨ちゃんのいた風景」巡りの飲み歩きが始まった。<br />　「ここだよ、パー伝に書かれた宮田のおっさんの居たアパート。…ここが美人三姉妹の屋台。…彼が本に登場するタカハシ。…」<br /><br />　鴨ちゃんとのエピソードを面白がって聞いてくれるタマちゃんに乗せられて僕はついつい饒舌になってゆく。<br />　ふと鴨と罵りあった一件を思い出した。<br /><br />　「内輪話を面白可笑しく書いて、それが文学だとはチャンチャラおかしい。」と僕。<br />　「そんなこと言うなら、あんたのいう文学とやらを書いてみろよ。」と鴨。<br />　「それが難しいから悩んでいるんだろ、バーカ。」<br /><br />　あっ、鴨ちゃんをネタに面白可笑しく騒いでいる自分は何なんだ。<br /><br />　タマちゃんは、矛盾だらけの僕の話にも微笑んで頷いている。普段は安いイサーン料理を食べているのに、鴨ちゃんが通っていたというだけで居酒屋のハシゴにも財布の中身を心配しながら付いてくる。鴨ちゃんはカラオケで長渕剛の歌をがなっていたとマイクを独占しても、手拍子を打ってくれる。ミイラ取りがミイラになる如く、パーを笑うものはパーと化す。僕はあれだけ貶したアジアパー伝の続編を演じている。<br /><br />　東西冷戦が崩壊し、その残滓が至るところで紛争や問題を起こした時代に、バンコクを拠点に世界を駆け回った〝ひよっこ〟ジャーナリストたち。現場目撃者である彼ら我らの肉声を再現することで、タマちゃんに激動の時代の断片でも知ってほしい。<br /><br />　鴨ちゃんがカンボジア・ポト派に拘束された事件がある。その経緯は「アジアパー伝」に書かれている。僕は前日に彼らと競合する他社の取材でそのポト派の村に入っていた。当時のカンボジアはヘンサムリン政権と国境三派の和平合意が成立し、国連暫定統治下にあった。和平プロセスが拗れ、ポト派が武装解除に難色を示して各地で小競り合いが続いた。マスコミを挙げて、ポト派＝悪、国連＝善のキャンペーンをやっていたから、かなりの誤報があった。山賊、盗賊、強盗の類までポト派に罪を被せていた。<br /><br />「ポト派を取材すれば食べていける。だから鴨も僕も有象無象もポト派詣でをした。正義感の欠片もない。タリバン、アルカーイダ報道も似たようなもの。」<br /><br />　タマちゃんの幻想を壊してしまった。<br />　しかし、ファンというのは奇特なものである。偉大なるコンビニ王はイサーンの農民から吸い上げた金を、このパーに注ぎ込もうとしている。次回は鴨ちゃんと一緒にプレーしたゴルフ場でのラウンドをしたいという。またまたタマちゃんに乗せられて、饒舌になりそうな予感がする。<br /><br />　鴨ちゃんのことを思い出すと黙ってはいられない、たしかに彼の魅力である。<br /><br />（ＭＫ）<br /><br />＃この原稿は、タイのフリーペーパー「ＥＺ-ＧＯＬＦ」用に書いたものです。 ]]>
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<dc:subject>鴨志田穣</dc:subject>
<dc:date>2009-08-11T21:45:07+09:00</dc:date>
<dc:creator>   ＭＫ</dc:creator>
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